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鈴木 喜雄; 林 幸子
no journal, ,
近年、ネットワークを活用したグリッドコンピューティング技術の進展に伴い、遠隔地に散在する複数の計算機を利用した大規模シミュレーションが行われるようになってきた。このようなシミュレーションから出力される結果を高速に可視化することは、シミュレーション研究を効率的に行ううえで不可欠である。独立行政法人日本原子力研究開発機構では、これまで大規模データを高速に可視化するためMPI(Message Passing Interface)で並列化した可視化システムPST(Parallel Support Toolkit)の研究開発を行ってきた。今回、PSTのMPIとして異機種間MPI(STAMPI: Seamless Thinking Aid MPI)を適用することで、グリッド環境で効率的な可視化を実現するためのシステム開発を行った。これにより、グリッド環境の複数の計算機を用いて分散並列に可視化処理を行うことが可能となり、ファイル転送作業削減によるユーザ負荷の軽減、グリッド環境での可視化処理の高速化等を実現した。
樹神 克明
no journal, ,
原子対相関関数(atomic pair distribution function)とは大雑把に言えば、ある原子からどれだけの距離にいくつ原子が存在するかを示すものである。これは実空間の関数なので、これを用いることにより結晶周期性を持たない原子の配列を調べることが可能になる(PDF解析)。これをバルクの結晶性物質に適用すると、結晶性物質中に存在し得る周期性を持たない構造歪み(局所構造歪み)を観測することができる。われわれは機能性物質や強相関電子系について、それら物質中に存在する局所構造歪みとその物質の機能や物性との関係を調べている。講演ではPDF解析から得られる情報、他の測定手法に対しての利点を紹介し、さらに最近の研究例として混合価数を持つスピネル酸化物LiMnOにおける伝導電子のガラス的凍結状態の観測を紹介する。